サン・スマイル=無肥料自然栽培

無肥料自然栽培の農産物


通常のキュウリをこのように折ると、
硬いために葉が割れてしまう。
この栽培だと、しなやかで強風にも強くなる。

 無肥料自然栽培で育てた農産物の味は、それほど濃厚ではなく、ほのかな甘みとスッキリとした気持ちのよい後味を特徴とするものが多いように感じます。すんなりと体に同化するという感覚の農産物です。
 これまでおいしい野菜の条件とされていた「甘い=おいしい」といった単純な図式からは少々外れているように思います。(品種間差も大きいですし、私の主観です)

 一般栽培の畑では、捨てられた野菜の残渣が腐敗して、周囲に悪臭を放っているのをよく見かけます。しかし、よく考えてみるとこれはおかしな光景ではないでしょうか。草刈して放置しておいた雑草が腐るということはまずありません(C/N比が高いということもあるでしょうが、他にも理由はありそうです)。無肥料自然栽培の畑で大根を抜いて放置しておくと、そのまま干からびて日干しになる事がほとんどです。それが当たり前で あるはずなのですが、今はこの当たり前の姿が見られなくなっています。

6月26日宮城

左:無肥料自然栽培 右:有肥料栽培

 また「腐敗実験」というものがあります。同じ条件下のガラスビンに、スーパー等で買った慣行栽培のキュウリと、無肥料自然栽培のキュウリをそれぞれ入れて蓋をし観察しますと、慣行栽培の方は数週間で形はぐちゃぐちゃに崩れ、蓋を開けるとものすごい悪臭を放つようになります。しかし、一方の無肥料自然栽培キュウリは形が残ったままで、腐らずに発酵してくるのです。そして蓋を開けると、漬物のような芳香が漂います。(すべてに当てはまるわけではありません)
 無肥料自然栽培における成長過程や作物の性質は、当然ながら慣行栽培のそれとは変わってきます。具体的 にはまず、ほとんどの作物において初期生育が非常に遅いという特徴があります。ただし、遅いというのはあ くまでも地上部の話であり、その間に実は地中で根を張っているのではないかと推測されます。

 作物の葉の色は見た目が若干薄めになるものが多く、しかしこれは、葉のクチクラ層が厚くなるために色が 薄く見えるだけであって、茹でればたいへん鮮やかな色になります。緑が濃い野菜に比べると一見頼りなく感 じられますが、心が癒される自然の色味であるとも言えます。畑などの傍らに生える草の色とどちらが濃いか を比べてみると、肥料を与えすぎていないかどうかおおよその目安になるかもしれません。

 またキュウリの葉を観察すると、一般栽培では暑い日中にはしんなりとし、日没とともにピンとすることが多いのですが、無肥料自然栽培では逆になることあります。周知の通り、日没後は光合成から呼吸に植物の生理が変わるので、後者のあり方のほうがより自然に適った状態であると考えることができます。